第12回サロン「小さな農と食の愉しみ」
(2013年9月18日・コミュニティーハウス法隆寺)
ゲストは斑鳩町在住の婦人7人
私たちの田園暮らしサポーター
サロン「小さな農と食の愉しみ」は、歴史と文化、田園環境に恵まれた斑鳩の里に住む喜びを大切に育みたい、と昨年7月に月1回のペースでスタートさせ、9月がちょうど1年分の12回目となりました。そこで、田園暮らしの知恵や技の伝授、耕す畑や野菜苗の提供まで応援してくれる農家の夫人ら地元サポーターばかりを招いての記念サロンとしました。
「豊饒(ほうじょう)」とはなにかを知った
コミュニティーハウス法隆寺は建設・入居から8年10ヵ月になりますが、その誕生に大きく関わってくれた奈良県農業協同組合と貴重な用地を提供してくれた地元服部地区の地権者のみなさんをはじめ、町内各地のみなさんとの交流で豊かな野菜と果物に恵まれました。さらに「小さな農」を営むチャンスにも出会い、野菜たちを育てる生きがいと、さまざまな食味を活かして調理の作品に変える歓び・愉しみに触れることができました。聖徳太子ゆかりの郷で「豊饒(ほうじょう)」とはなにかを知ったのです。
上↑ 田園に沿って建つハウス 下↓ 室内からの遠望
安心・安全を破壊するTPPと中国の食品汚染
しかし、私たちの生活環境は、経済活動が1国の範囲から地球規模に広がるグローバル化して、本来、地域の産物、名品だった食の世界までが「海の向こうのどこか」産に変わろうとしています。日米など太平洋を囲む国々が年内にもTPP交渉を妥結させ、相互産品の関税撤廃を実現させようとしています。700%超の関税率で守られてきた米などは、本当に「対象外」になるのかどうか。つまるところ、例の補助金乱発政策で代替え、お茶濁しとなる気がしてなりません。
もう、ひとつ。工業製品だけでなく食料産品まで「世界の工場」へ拡大をめざす中国産の「有害」の恐怖が私の身近に迫ろうとしています。
「中国の食品汚染はどんどん悪質、巧妙、大規模になり、2011年から3年間で残飯食用油、苛性ソーダー豚足・洗剤入り牛乳・カドミウム米といった汚染摘発は50事件にものぼり、その詳細が中国メディアによって報じられた」(週刊朝日9・30日号)。こうした汚染食材の加工集団は、内陸部の貧村に集中し、この国の所得格差の構造に汚染問題の根源がある、と指摘しています。そして、中国都市部の富裕層は別荘に菜園、加工室を持って自給するのだといいます。
新しい生き方「小さな農」
町の至る所に菜園があり、「小さな農」の風景がふんだんに見られる斑鳩。野菜は自家用の小品・多種を育て、柿、柑橘、無花果、梨、ときには栗もある屋敷内果樹園が珍しくありません。7人のゲストたちに「みなさんは、グローバル時代に対抗する新しい生き方をなさっているのかもしれません」と私が讃えたところ、大いに受けました。
上↑ 屋敷の一角にある私たちの菜園(15種) 下↓ ネットに守られ白菜が育つ
下記のメニューのうち米をのぞくほとんどの素材が私たちの自家菜園and斑鳩産です。ゲストのみなさんは、すべてをぺロりと平らげ、「レシピ教えて」と好評でした。
9月サロンのメニューテーマ「小さい秋みつけた」
・炊き込みご飯2種=サツマイモとくり(向平次子)「くりと雑穀米」(須崎民子)
・冬瓜とネギの冷たいスープ ・えんどう豆ソース添えコロッケ(次子)
・ゼンマイ+秋ナスの煮もの ・サツマイモのケーキ他(民子)
◆サロン運営=向平羑・須崎民子・向平次子・奥田和代・櫻井福子・木邨圭子