ほんの50日ほど前のことである。朝日新聞出版の雑誌「一冊の本」4月1日号で、作家落合恵子さんが「色とりどりとは言い難い冬野菜の中で、ひときわ鮮やかな、ほんとにきれいな紅色を放ってくれる。名前も魅力的だ」と、<紅くるり>という名の赤い大根のことを書いていた。「サラダでも美味だが、塩と黒胡椒、バターで、ステーキにしても旨い」。「美味しい食べ方に最も詳しい」生産者に聞くと、「天ぷら。いけるんだよね」と。
びっくり。腰を浮かした私。野菜の種カタログを当たったら「こんな大根見たことない! 革新の赤大根!」 愛知県の種苗メーカーが開発した新しい種。まだ、片隅ながらタキイ、サカタも種を仕入れて売り出していた‥。大急ぎで種を購入すると、春蒔き3月下旬~4月上旬、秋蒔き9月上~下旬。「間に合う!」即日でひと畝耕し、種をまき、ネットを架けた。
3カ月で1本あたり1kgに成るそうだが、2カ月で掘り出したのが、これ。500g。大根をステーキで食べたのは、初めてだが、実に風味があって美味しい。サラダ、ぬか漬け、煮物‥。どれも美味しい。1キロになったら、「天ぷら」に挑戦する。