- 寒気に映える紫の花
北極からの寒気団が列島を覆い、各地から雪のニュースが届く。私が住むコミュニティーハウス法隆寺は、全居室が南向き。さらにペアガラスで寒気をシャットアウトしているから晴れた日の窓辺だと、最高気温が25~6度になる。今日も午前中に雲のない空を見ることができた(写真中央の山は、二上山の雄岳)。そして、花はストレプトカーパス。東からの光を浴びて紫色が美しい。15年前に入手した親株をこのハウスに持ち込んで以来、窓辺で増やした小苗は毎年のように貰われていった。可憐な花たちは、いま、あちこちで可愛がられている。
- イチジク取り放題をねらって
斑鳩に住んでもう13年になる。たくさんの知り合いに恵まれ、いろんな産地物を頂戴することも多くなった。奈良といえば、柿とイチジク。柿は数百個単位でいただくが、余りに多いので、先輩が過ごすシニアハウスへ持ち込み、入居者に吊るし柿づくりを楽しんでもらってきた。今年からは「年寄って取るのがしんどい。自分でもいで」の申し入れで、私ら夫婦が、直接柿の木に登ったり、サオで直取りすることになった。イチジクも畑へ立ち入りを許してもらい、1回に7,80個から100個余りを朝取りする。1シーズンで数百個。ワイン煮、酢煮して県外の友人たちに送ると、それは、喜ばれ、催促の電話さえある。こんな実情を知った果実農家の達人から「もう、自分で栽培しなはれ」と<1株で数百個採る術>を伝授してもらった。私が手をかける野菜園の隣に、地主さんが放置したままの虫食い老樹が1本ある。これを再生するのだ。写真のように虫食い幹と地生え放題だった若木をカットし、7本の幹に整理した。春先には、1本の幹当たり元気な芽3本を選び、垂直に伸ばして、1本あたり20~30個の実を採るというもの。ええっ、全部で何個採れる!? なんて計算はさておき、虫穴封じと有機たっぷりの施肥作業をやらなくっちゃ。
- 台風禍~農仲間の嘆きは続く
台風21号が通過した10月23日朝、私が住むコミュニティーハウス法隆寺の部屋から見下ろした、風景である。古代・条里制の名残を留める豊穣の田園が水面に一変し、刈り取り直前の稲穂が漂うさまを見たのは、この13年間で初めてのこと。この水は、半日ほどで引いたが、農を営む仲間たちにも、衝撃が伝わってきた。田園の小屋に置かれた農具類は流失、稲束の山は各所に移動する被害となったという。さらに再び台風22号の接近で雨続きとなり、野菜生育への影響が広がった。むかちゃんの菜園は小さな丘の集落の中にあるため、水害とは言えないものの多湿続きによる害虫類の発生で発育盛りの白菜が網のようになる始末。タマネギは苗の生育が遅れ、11月10日、短かく細いサイズながら移植せざるを得なかった。
- お化けサツマイモ
中央てっぺんにある赤ちゃんの頭より大きな芋が、この1個だけで重さ2・1㌔。7個の芋が寄り集まって1個に形成されている。下の残る芋は18個、数日前に形のいい3個を探り掘りしているので、子芋はしめて21個、計3・1㌔。この1株の収穫は5・2㌔となる。品種は安納芋。昨年収穫の芋たちから種芋を春先まで保存、芽出ししたものを大きな畝のそのまま埋める江戸時代以来の伝統農法に沿って育ててきた。苗植えに比べびっくりの収量になるが、1㍍先に芋が付いていることもあり、掘り出す労力が大変。但し、蜜芋といわれる安納芋なので、それはおいしい。同じ手法で植えたサツマイモの株は、まだまだあり、続報はこれからとなる。第1号のジャンボ芋の正体も気になるところであります。
- 2ヵ月余でビッグサイズに
斑鳩の農業振興会は、秋冬野菜の育て方講習会を開いてくれる。8月6日、猛暑の中、町役場前に集まった町民は200人余り。野菜専業農家が育てたセルトレーの稚苗が無償で配られ、収穫に至るまで栽培のコツが手ほどきされた。もらったのは、2・1㌢角サイズのセル苗10株ずつだったが、ご覧の大きさに。農薬は使わないため、シルバーマルチを張り、防虫ネットをしっかり掛け、35度を超す暑さには、不織布まで架ける保護栽培。70日余りでキャベツ(右)は径80㌢、ブロッコリー(左)は90㌢のサイズに。斑鳩には、休耕田に野菜作りをする中高年が多く、町はナマごみでつくった熟成堆肥1袋(20㌔)を200円の格安で販売する。うちの野菜たちもその恩恵に浴している。